BERTアップデート は検索クエリや文脈を理解し、検索意図に合った検索結果を返すためのGoogle検索アルゴリズムのアップデートです。
BERTは人工知能(AI)を使った自然言語処理技術ですが、Google幹部曰く「過去5年で最大の飛躍」の大規模アップデート。
そして、2019年12月10日に日本語を含む70言語へのBERTアップデートの導入開始がGoogle公式Twitterから発表されました。
参考:【2021年版SEO】Core Web Vitalsの基礎と対策
これを受けて日本語での検索順位の変動がSNS等でも報告されています。
この記事では、BERTの特徴とアップデート以降のSEO対策の方向性をアフィリエイター視点でわかりやすく解説します。
BERTの特徴
BERTとは?
BERT(バート)はBidirectional Encoder Representations from Transfromersの略で、直訳すると「Transformerを活用した双方向的エンコード表現」です。
文字列を前から順番に解析する従来の自然言語処理モデルとは異なり、単語列を一気に読み込んだ後、左右両方向から単語の組み合わせにより文脈を把握します。
要するに、BERTは「単語の前後関係を含めた、文章理解に関するアルゴリズム」です。
用語の違いは以下の通りです。
- BERT:自然言語処理技術の全般
- BERTアップデート:検索エンジンに関するアップデート
RankBrain+BERTアップデート=次世代検索エンジン
ちなみに、Google検索エンジンのAIと言えばRankBrain(ランクブレイン)が有名ですね。
2015年に導入されたRankBrainは「検索クエリとコンテンツの関連性に関する検索アルゴリズム」でした。
つまり、単語またはその組み合わせ検索に対する適切な検索結果を出す目的で現在も使われています。
RankBrain(単語理解)+BERT(文章理解)で検索エンジンが大きく進化するタイミングが2019年12月~ということです。
ちなみに、RankBrainは検索エンジン専用のAIですが、BERTは検索エンジンに限らずGoogle各種サービスを含む汎用的に利用されています。
BERTアップデートの推移
BERTに関する今までの流れは、
- 2018年10月11日 BERTを発表・オープンソース化
- 2019年10月25日 英語版のBERTアップデート導入開始
- 2019年12月10日 日本語を含む70言語のBERTアップデート導入開始
BERTはオープンソース化(プログラムのソースを公開し営利目的で利用可能)済みです。
2019年10月25日に、最初の英語版BERTアップデートが開始された時点では、日本語への適用時期は未定でした。
しかし、BERTアップデート英語版の導入開始から約1.5ヶ月という予想よりも早いペースで日本語を含む多言語へ導入されました。
BERTで東大合格レベルの読解力に?
BERTは検索エンジンだけでなく、汎用用途(汎用AIではない)なのはお伝えした通り。
東大合格を目指す国立情報学研究所が研究・開発したAI「東ロボくん」をご存知ですか?
最初は順調に点を伸ばし、その後伸び悩んでいましたが、BERTの登場によりAIの自然言語処理分野への大きなブレイクスルーが期待されています。
東ロボのAIが2016年にセンター試験の英語問題を解いた際の偏差値は「45.1」。東大合格はとうてい不可能なレベルだった。
ところが米グーグルが2018年10月に発表した新技術「BERT」で常識が一変した。BERTが文章読解問題を人間より高い正答率で解いたからだ。
出典:ビジネスAI
BERTアルゴリズム単体または「BERT+東ロボくん」が東大合格レベルかどうかは現時点では未知数です。
しかし、既に一部の文章読解問題では人間を超えている部分もあり、今後の動向には注目に値しますね。
つまり、Google検索エンジン(googlebot)は遅かれ早かれ、東大合格レベルまたはそれ以上の言語処理技術でサイトを評価すると言っても過言ではないです。
BERTアップデート の特徴
BERT アップデートとは?
BERTアップデート は検索クエリや文脈の意味を理解し、検索意図に合った検索結果を返すためのGoogle検索アルゴリズムのアップデートです。
グーグルの検索担当副社長パンドゥ・ナヤック氏は「過去5年で最大の飛躍」と称しています。
10月24日に開かれた説明会に登壇したグーグルの検索担当副社長パンドゥ・ナヤックは、BERTが長い検索フレーズを使う場面や、検索ワード同士の関係が非常に重要な意味をもつ場面におけるGoogle 検索のアルゴリズムを大きく改善したと説明している。
「これは過去5年間で最大の飛躍です」と、ナヤックは言う(少なくともランキングの変化でユーザーの探しものが見つかりやすくなると考えるグーグルにとってはそうだ)。グーグルは詳細を語らなかったが、これまでテスト段階にあったアップグレードは現在広く実装されているという。
出典:WIRED
BERTアップデート導入前後の比較
BERTアップデートの導入によって人間が扱う言語を機械(AI)がより良く認識できるようになります。
ここでは、以下の検索事例を通して何が変わったのかを簡単にご紹介します。
- 前置詞が理解可能に
- 文脈から単語の意図が理解可能に
全て英語版の検索クエリに対する検索結果の比較の事例ですが、日本語も類似の改善が行われている可能性が高いです。
また、検索意図が理解ができるということは、サイト内コンテンツも同様に理解できるという点がポイントです。
①前置詞が理解可能に
キャプチャ画像は「2019 brazil traveler to usa need a visa(2019年にブラジルから米国への旅行者はビザが必要か)」で検索した際のBERTアップデート前後の比較です。
- 導入前の検索結果:ブラジルに旅行するアメリカ人に関する検索結果
- 導入後の検索結果:ブラジル人の米国への旅行に関する検索結果
BERTアップデート導入前は前置詞の意味を正しく理解できず、不適切な検索結果を返しています。
しかし、導入後は英語で重要な意味を占める前置詞「to」や「for」を明確に判別可能になり、検索結果の質も改善されています。
日本語の場合、前置詞はありませんが助詞が意味的に近く、例えば「が」「の」などが相当します。
②文脈から単語の意図が理解可能に
キャプチャ画像は「do estheticians stand a lot at work(エステティシャンは仕事中に長く立っているか)」で検索した際のBERTアップデート前後の比較です。
- 導入前の検索結果:文脈を意識せず「stand」という用語だけ拾って誤った検索結果を返した。
- 導入後の検索結果:「stand」が仕事の概念として捉えられ、より有用な検索結果を返した。
導入前はstandをstand aloneという、検索意図とは外れた意図で理解して、検索意図とは違う検索結果を表示していました。
しかし、BERTアップデート導入後では関連性のあるエステティシャンの身体的負荷の解説が表示されています。
単語単体の意味と、文章(単語の組み合わせ)では全く意味が違うケースは、日本語においても多々あります。
それらが正しく認識できるようになるということです。音声検索においても活躍が期待されますね。
参考:Google公式「Understanding searches better than ever before」
BERTアップデートの適用範囲は10%
英語版のBERTアップデートでは、毎日の検索全体の1割に影響を与えるとのこと。
意外と少ないように思えますが、検索への影響度は高いとGoogle関係者は述べています。
言語によって差がある可能性もありますし、日本語版での比率は現時点では不明です。
しかし、Googleが満を持して登場させた技術なだけに、今後さらに適用割合も増える可能性はありますね。
参考:EmmaTools
BERTアップデートのGoogle公式発表
2019年12月10日にGoogle公式Twitter「Google Searchliaison」がBERTアップデートを正式にアナウンスしました。
BERT, our new way for Google Search to better understand language, is now rolling out to over 70 languages worldwide. It initially launched in Oct. for US English. You can read more about BERT below & a full list of languages is in this thread.... https://t.co/NuKVdg6HYM
— Google SearchLiaison (@searchliaison) December 9, 2019
【和訳】
Google検索で言語をよりよく理解できる新しい方法であるBERTが、世界中の70を超える言語に展開されています。米国英語向けに10月に最初にリリースされました。 BERTの詳細については以下をご覧ください。言語の完全なリストはこのスレッドにあります...
70を超える言語で展開され、日本でも導入されています。
以上がBERTアップデートに関する解説です。
BERTアップデート以降のSEO対策
BERTへの特別なSEO対策は不要
動画「2019年11月29日 Googleウェブマスターハングアウト」で、John Mueller氏がBERTアップデートに関して以下のように言及しています。
重要ポイント
「BERTに対して特別な対策は不要です。唯一やれることは検索ユーザーに理解しやすい良質なコンテンツを作成することのみ」です。
さらりと答えられていますが、アフィリエイターの存在意義を問うような本質的な答えです。
ここで言っている「対策不要」という言葉に甘んじたら、アフィリエイトで稼げなくなる未来は目に見えます。
これを受けて、今まで以上に検索意図の把握や、良質なコンテンツの作成能力に磨き続ける必要性を強く感じました。
小手先SEOの完全終焉
BERTによって文章が高精度で理解できれば、次のような施策は当然厳しくなることが予想できます。
- SEOを意識した類義語・共起語の過度な詰込み
- 検索意図を外しているコンテンツ
- ワードサラダ(文法は間違ってはいないが、文章としての意味が破綻している)
現時点でGoogle検索ロジックの隙間を突き、一時的に上位表示できたとしても、BERTが進化した先には順位さえ付かなくなる可能性が高いと思っています。
単語組み換えツール系もほとんど意味を成さなくなる日は、それほど遠くなさそうです。
もちろん、ツール作成メーカー側もBERTに合わせて進化するとは思いますが。
いずれ、AIを使った実用に値する文章自動生成ツールなどが出るかもしれません。そういう方面にシフトできる企業は、まだ生き残るかもしれません。
被リンクやドメインの効果が弱まる?
現在はまだBERTアップデートの検索結果への適用は全体の1割程度(英語版)なので少ない方です。
しかし、遠くない未来にBERTの検証が進み、日々の継続改善で精度向上すれば、適用割合が徐々に高まることが想像できます。
そうなれば、今以上にコンテンツの良否だけで検索順位を付けやすくなるはずです。
つまり、被リンクやドメインによるサイト評価の割合は相対的に減少すると推測します。
Google検索エンジンのあるべき姿、「外部要因などのえこひいき無しで、検索者の欲しい答えを返す良質コンテンツを評価する流れ」へ徐々にシフトしていくはずです。
しかし、その判断はGoogleが行うこと。アフィリエイターは現時点での最善を積重ねる以外ありません。
ハイレベルなコンテンツ勝負が始まる
先ほどの流れが正しければ、今まで以上にコンテンツそのものに集中する人が増えそうです。
結果的にハイレベルなコンテンツを生む作成者が増え、コンテンツ品質面での競争が激化すると予想しています。
ネット業界はAIの進化と相まって極めて進化が早く、長らくコンテンツを軽視した人にとっては、気づいた時で手遅れになるかもしれません。
そうなる前に、今からリスクヘッジや適切な方向へ舵取りすることを強くオススメします。
まとめ
BERTアップデートは自然言語処理による文章理解のための検索エンジンのアップデートです。
2019年12月10日ついに日本語にも導入開始されました。ただし、BERT導入後も常時GoogleのAIは進化し続けます。
そのため、今まで以上にコンテンツの品質への要求が求められます。
日々コンテンツに磨きをかけ、継続的に学習して自分自身もアップデートしていきましょう。
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